JLCPCBで異種割付け基板を追加料金なしで発注する裏技(力技)【JLCPCBプリント基板作成サービス】
JLCPCBで異種回路の割付けを追加料金なしで発注する裏技(力技)をまとめました。
●現在のJLCPCB2層基板の価格
現在JLCPCBでは基板発注の際に面付けを行うと追加料金が発生します。
まずはそれぞれのパターンでの料金を比較していきます。
(全て最小発注単位の5枚で計算しています。)
・単一回路の基板の場合
現在単一の基板を発注した場合、送料別で$2で発注が可能です。
十分安いので下手に面付けするくらいなら、複数回発注したほうが安いです。
・同種回路を複数面付けをした場合
これは同種面付けを行った場合です。(Panel by Customer を選択しています。)
100×100以内なら、いくつ同種面付けを行っても$7.8です。
単一の回路を発注した場合と比べ$5.8も高いです。
・異種回路を複数面付けした場合
これはデータ内に含まれる回路数が複数の場合の見積もりです。
1種類増えるごとに$4ずつ増えていくようです。
相変わらずPanel by customerを選択している限り、100×100以内ならいくつ面付けを行なっても値段は変わりません。
●追加料金なしで異種面付けをする方法
裏技というか公式に認められた方法で追加料金なしで、つまりたったの$2で異種面付けをする方法があります。
PCB Panelization - JLCPCB Help Center
これはJLCPCBのヘルプセンター内のテクニカルという項目内にある記述です。
ガイドラインによれば複数デザインの異種面付けは例外なく追加料金がかかるとの事でした。
しかしこの記述によると複数のデザインを1枚にまとめて分割線はシルクラインを引き、商品が届いてから自分で分割するのであればするのであれば1枚の基板として発注することが可能だというのです。
Vカットやビアで切り取り線を入れることはできないため手間は増えますが、これが本当ならかなりの節約になります。
●実際に検証してみる
ということで、実際に検証してみました。
・本当に$2で異種面付けができるのか?
まずはKiCADでシルクラインのみで異種面付けされたガーバーファイルを生成し、ファイルチェックを依頼します。
これが今回発注した基板のガーバーデータです。
公式の記述の例と比べると、かなり攻めた形状をしていることがわかると思います。
合計で4種5枚の基板がシルクラインのみで割付けされています。
また、切り離しがしやすいように基板同士をピッタリ付けずに隙間を開けて割付けしてみました。
1枚の基板として発注しているので価格はもちろん5枚で$2です。
もし普通にVカットで異種面付けをしていれば本来は$19.4もかかる計算になります。
実に$17.4の節約になります。
割付けせずにバラバラに発注しても$10になります。
本当にこんなのがまかり通るのか少し不安になってきました笑
こんなふざけた基板が果たしてファイルレビューをパスできたのかというと…
大丈夫でした...汗
担当者さんの気まぐれという可能性を捨てきれず、日付と時間帯を変えて3回ファイルレビューを依頼しましたが、いずれも問題なくファイルレビューをパスできました。
送料はOCSNEPで$1でしたので、異種面付け基板が実質たったの$3で注文することができました。
・綺麗にカットすることは可能か?
無事に異種面付けされた基板を$2で発注することができました。
しかし、この基板は前述した通りVカットもビアによる切り取り線もありません。
この基板を綺麗に切り離すことが出来なければ意味がありません。
そこで、2つの方法で基板を切り離してみました。
カッターナイフでVカットを入れる方法
まず一つ目は、普通のカッターナイフで切り込みを入れてVカットのように折り曲げてカットする方法です。
基板に金属の定規をマスキングテープで貼り付け、大きめのカッターで少しずつ切れ込みを入れていきます。
刃は割とすぐにダメになっちゃうので、こまめに替えましょう。
最初は力を入れすぎずに優しく切り込んでいくのがコツです。
このくらいの深さになるまで両面から根気よく切り込んでいきます。
最後は机の角などで折ります。
もし折れそうになかったら、もう一度溝を入れてからチャレンジしてみてください。
軽くヤスリで端面を整えれば完璧です。
カッターナイフは写真のものより大きめの力が入れやすいものをお勧めします。
また、Pカッターを使うとより楽に溝を掘れますが、替え刃が高いので個人的には普通のカッターナイフで十分だと思います。
ミニテーブルソーを使う方法
次に紹介するのはミニテーブルソーを使う方法です。
しかしこの方法は初期費用が高すぎて割付けを頼んだほうが安い場合がほとんどです。
お値段的にあまりお勧めできる方法とはいえないので、参考程度にご覧ください。
自分は家にあったラジコン用モーターと3Dプリンターを使用して1000円ほどでテーブルソーを自作しました。
1000円程度なら数回の注文で元が取れるという判断です。
自作テーブルソーの動画をTwitterの方にアップしました。
1.6mm厚のPCBを切ってみた...! pic.twitter.com/acjQnYk0si
— HiNATA(3Dプリンター大好きマン) (@HiNATA13638705) 2022年12月3日
カッターナイフを使うよりも簡単に、かつ綺麗に切断できます。
もし材料がある程度揃っていて、工作に自信のある方は自作するとコスパ最強の基板製作環境を手に入れる事ができるかもしれません...!!
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正確にはSMD用や3Dプリント用の複数のクーポンの合計が$54ということのようです。
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以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!